不妊症の治療方法

不妊症の治療方法

2011年11月18日   2015年2月6日
不妊症・不妊治療

コウノトリと赤ちゃん病院では、不妊検査を行い原因を特定し、その症状に見合った不妊治療を行います。
身体的にあまり問題がない場合は、排卵日を予測して夫婦生活を行うタイミング法や、体のホルモン状況を改善するホルモン療法などを行い様子を見ます。

このような基本的な不妊治療で効果が見られない場合には、さらに、高度な不妊治療である高度生殖医療を行います。
この高度生殖医療としては、採取した卵子と精子を卵管内に戻す『配偶子卵管内移植』や、人工的に卵子と精子を受精させた受精卵を培養して、成長した胚を子宮に戻す『体外受精胚移植』、受精させた卵子を子宮に移植する『顕微受精』などがあります。

人工受精

人工授精は、母体の排卵時期に合わせて精子を直接母体内に入れる治療法です。
人工授精には子宮内、膣内、頸管、卵管内人工授精の4つがあります。子宮内人工授精は、精子が子宮頸管部でブロックされないようにするため、選んだ精子をチューブで子宮内に人工的に入れる方法です。これらは排卵に合わせて行われます。

人工受精で妊娠する場合の70〜80%が6回目までに妊娠します。人工授精の費用は健康保険の適用外ですので、全額自己負担となります。人工授精にかかる費用は医療機関で差がありますが、平均1回につき約1万円~1万5千円前後の場合が多いようです。人工授精にかかる費用の助成を行っている自治体もあるようです。

体外受精

体外受精・胚移植(IVF-ET)とは、通常は卵管膨大部で起こる受精と、卵管・子宮内で行われる卵の分割・発育の部分を体外ですませ、受精卵を子宮内に着床させる方法です。

体外受精では排卵誘発剤を注射して卵胞を刺激し、排卵直前の時期に超音波で観察しながら細いチューブ(カテーテル)で卵子を体外に取り出します。これをシャーレの中で精子と受精させ、ある程度まで体外で分割させてから子宮内に戻します。
戻す時期は、卵子が受精してから48時間後ぐらいです。

顕微授精

顕微授精には、大きく分けて3種類あります。「透明帯切開法(PZD)」「囲卵腔内精子注入法(SUZI)」「卵細胞質内精子注入法(ICSI)」があります。
PZDは、外側の「透明帯」という部分だけに穴を開け、パワーが少ない精子でも通りやすくする方法です。
SUZIは透明帯の内側にある透明膜の内側(囲卵腔)に精子数個、ICSIは、一番内側の卵細胞に直接精子を1個注入します。

顕微授精の主流は最も成功率が高いとされるICSIです。顕微鏡で見ながら卵子の中に精子を人工的に入れる為、精子の数が非常に少ないときや、高度受精障害などの場合によく行われている治療法です。

ただし、男性不妊が遺伝する可能性が高くなるといわれており、その他のリスクに対しても理解が必要です。

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