陰嚢水腫・精索水腫
陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)・精索水腫(せいさくすいしゅ)
症状
陰嚢や鼠径部が腫れているように見えます。水がたまった状態なのでプヨプヨと柔らかい触感です。
通常、陰嚢や鼠径部の片側のみに症状が出るため、陰嚢や鼠径部の左右の大きさが違うのが鼠径ヘルニアとの違いです。
精索は上下が閉じているので、触ると片側に睾丸が2つあるように感じます。
精巣の周りが腫れることを陰嚢水腫といい、鞘状の袋の途中が腫れることを精索水腫といいます。
陰嚢水腫は男児にとても多くみられ、乳児の90%、幼児の60%、学童の30%に発症するという統計がありますが、その多くは自然に治ります。
精索水腫は陰嚢水腫よりも発症数は少なく、治るまでに長くかかります。
幼児になってもみられる陰嚢水腫は、腹腔とつながっており、時には腫瘤の大きさが変わることがあります。このような場合は自然に治ることはないため手術を行いますが、大きさが気にならない程度であればそのままにしておいても良いでしょう。
原因
胎児のころに精巣(睾丸)が陰嚢の中に下りてきますが、腹膜も一緒に引き下げられ鞘のような細長い袋の底に睾丸が下りる状態になります。この袋の中に腹腔液が入るのですが、腹膜がうまく閉じないと陰嚢内の腹腔液の量が多くなり、腫れているように見えます。
治療
かつては注射針で水を抜く方法がありましたが、水を抜いても再び溜まることが多いため、現在は行われていません。
4歳頃まで経過を見て水腫が直径5cm以上のままで小さくならず、本人が気にしたり歩くのに支障がでる場合は手術をします。
精索水腫は精巣の上のほうに腫瘤があり、外見上は気になるものではないので手術は不要です。
※病気の説明は一般的な情報であり、病気の診断ができるものではありません。
お子様の具合が悪い場合には、早急に直接医療機関を受診し診察を受け、治療は医師の指導のもとで行いましょう。