妊娠中(妊婦)の栄養と食事【カルシウム】
食生活が多様化する中でカルシウムは不足しがちな栄養素です。
妊娠中はもちろん、将来の骨粗しょう症予防にもしっかりカルシウムを摂取しましょう。
妊娠中は、お腹の赤ちゃんの骨や歯を形成するために、カルシウムが1日に150mgほど胎盤を通してお腹の赤ちゃんに供給されます。
※「日本人の食事摂取基準」(2010年版)
妊娠していない成人女性では、1日650mgのカルシウム摂取が推奨されていますが、妊娠中は900mgとなります。
カルシウムの働き
- 骨や歯の形成
- 神経で情報を伝達
- 筋肉の収縮や緩和の運動
- 興奮した神経や筋肉を正常にする
- ホルモンの分泌をスムーズにする
- 出血時の血液を凝固させる
など、カルシウムは生命活動を維持するために非常に重要な働きをしています。
カルシウム不足チェック
- イライラしやすい
- ストレスがたまりがち
- 運動する機会が少ない
- 外食や加工・インスタント食品をよく食べる
- 虫歯になりやすい
- コーヒーをよく飲む
- ダイエットをしている
1つでも当てはまるとカルシウム不足かもしれません。
カルシウムは体内で作ることができません!
血液中のカルシウムは一定の濃度に保たれています。
そのため、体内で作ることができないカルシウムは常に食物から摂取しなければなりません。
血液中のカルシウムが不足すると、骨から血液中にカルシウムを供給されるので、骨がもろくなる骨粗しょう症を引き起こす可能性があります。
カルシウムを多く含む食材で上手にカルシウムを摂取したいでですね。
カルシウムが多く含まれている食材
- 牛乳
- チーズ
- ヨーグルト
- 木綿豆腐
- 高野豆腐
- 納豆
- うずら豆・いんげん豆
- 桜えび
- しらす干し
- 牡蠣
- 小松菜
- ほうれん草
妊娠中に多めのカルシウム摂取を心がけるなら、ビタミンD、マグネシウムの摂取も忘れずに!
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、体内でカルシウムの利用効率を高める働きをします。
また、マグネシウムもカルシウムとともに骨の形成を行い、体内でのカルシウムの働きを助ける大切なミネラルです。
マグネシウムは不足すると心臓に負担をかけたり、足がつりやすくなります。
ビタミンDは、皮膚に日光を浴びることで体内で生成されるので、一般女性は散歩、日陰で30分程度の日光浴をするくらいで充分ですが、カルシウムを多く必要とする妊娠・授乳期はビタミンDも多く必要になります。足らない分は食品から摂取しなければなりません。
ビタミンDの豊富な食べ物
- 干しいたけ
- イワシ
- サケ
- カツオ
- サバ
- ブリ
- うなぎ
などです。
マグネシウムの豊富な食べ物
- アーモンドなどのナッツ類
- 海藻類
- 天然塩
などです。
また、乳酸菌やビフィズス菌は、お腹の善玉菌を増やしてお腹の調子を整えることでカルシウムの吸収を良くします。
ヨーグルトや乳酸菌飲料にはカルシウムが含まれているので積極的に取りたい食品ですね。
産後もカルシウムを多めに摂ったほうがいいの?
授乳中のママは、妊娠中よりもさらに多めのカルシウムを摂取する必要があります。
授乳中は母乳を通して、1日約220mgのカルシウムが赤ちゃんに移行するので、妊娠前の摂取量である600mgより1日当たり500mgも多い、1100mgのカルシウムが必要になります。